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Directed and Produced by
純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2002年6月のニュース一覧
▼[2002.06.30]ワイヤードに暮らす
▼[2002.06.29]音声認識の方法論
▼[2002.06.28]蔑むべき司法
▼[2002.06.26]自由と解放の
▼[2002.06.24]憤怒のサバト
▼[2002.06.22]殺されたラジオ革命
▼[2002.06.20]彼女の,涙
▼[2002.06.18]剣と剣
▼[2002.06.16]ランゲルハンス島の夜空
▼[2002.06.14]スパムへの対処
▼[2002.06.12]必然の敵視
▼[2002.06.10]ウェブの文字の響き方
▼[2002.06.08]方舟の錨
▼[2002.06.06]6の奇蹟
▼[2002.06.05]ゆがみのただ中
▼[2002.06.04]only myself.
▼[2002.06.02]幕噂総浚
▼[2002.06.01]すべて,そもすべて

■2002年07月のニュース一覧
■2002年05月のニュース一覧


 
[2002.06.30]
  ワイヤードに暮らす


 ▼何年か先、電子ペーパーでモバイルが変わる(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0206/25/cead_obrien.html


 そこ,に生きることで人は,次のいとしさとやさしさをも得ることができる。なぜか? ワイヤードという,いつもつながりのあるただ中,だから。

 イー・インク社のディスプレイは,厚さ0.3ミリで,液晶ディスプレイの1/10の厚さとなる。また,壊れにくい。超低消費電力でもある。あと6年ほどで実用的になると思われ,現行の液晶ディスプレイを「過去のもの」にしそうな新製品だ。

 紙,のようなディスプレイ。たとえばわずかな操作ボタンを付けたこの紙ディスプレイを購入して,それにネットワーク経由で毎日情報が送信されてくる,というのはどうだろう。バックナンバーも呼び出せるようにすれば,紙の雑誌,新聞はいらなくなる。1枚でなんページもの情報も表示できる。かばんに入れられるサイズであれば,通勤通学途中でも手軽にみることができ,毎朝キヨスクや本屋に寄る必要もない。そういう使い方もあり得る。

 円形の3DディスプレイをCNET Japanの記事が伝えているが,これにはさほど魅かれない。「閉じている」ディスプレイというのはもう要らない。必要なのは,ネットワークに「開いている」ディスプレイだ。イー・インクの紙ディスプレイを部屋の壁全面に張り巡らし,その中に暮らす生活を思い描く。360度に広がる空間は,未来とも過去とも,ミクロともマクロともつながっている。そして,あなたとも。ネットワークに入ることができる一手段として,イー・インクのディスプレイは魅惑的だ。(tnx > あるのさん)




 
[2002.06.29]
  音声認識の方法論


 ▼アダルトビデオに革命? 音声認識インタラクティブDVD(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20020627305.html


 国語も英語もフランス語もドイツ語も必要ない。生まれたときからキーボードを使える人間などいないように,新しい言語をおぼえればいいだけだ。その言葉で,いかせてあげるよ。

 音声認識によって操作するインタラクティブなアダルトDVDが登場している。視聴者はマウスに触れることなく,画面の中の女性が男性にすることをコントロールできるようになる。驚くべき心理体験になり,100倍の現実感が得られると云うが,音声認識がきちんと動作するかはまだ定かではない。

 音声による操作,と云うのは,多くの人が抱いている将来的な夢のひとつかもしれない。いや,アダルトDVDぢゃなくてパソコンとかのね。MYCOM PC WEBの記事では,音声で操作できるカーナビの情報を伝えている。だがやはり問題は,カーナビにしてもアダルトDVDにしても,認識できる声に限界がある,という点だ。

 音声認識の現状は,機械が人間の音声を受け取り,そのなかから登録された音に合致するものをみつけ,それを符号としてコマンドを実行する。実はとてつもなくアナログな作業工程だ。そしてそのいちばんの問題は,人間の声,は変えずに,機械にそれを認識させようとしている点だ。だって声は人それぞれで違い,また言葉も人それぞれで違う。世界中に言語は多すぎ,さらに方言などがどこにでもあり,人それぞれで話す癖を持っている。ある人の言葉が甘美に聞こえたとしても,同じ言葉を他の人がしゃべっても雑音にしかならないことがある。入力方法で,人間を優先し過ぎているのだ。キーボードを今一度みてみれば,あまりにも人間の行動から遠いインターフェイスだということがわかるだろう。機械に合わせた方が,楽なこともある。多くの人がキーボードでなんの問題もなくチャットできるように,私たちの言葉,も変える必要がある。新しい,もうひとつの言語が,必要だ。そうでないと,いつまでも夢のまま。




 
[2002.06.28]
  蔑むべき司法


 ▼「2ちゃんねる」に賠償命令(Sankei Web)
  http://www.sankei.co.jp/news/020626/0626sha100.htm


 司法とは当然性悪説の上で成り立っているものだが,すべての人間に400万円の支払いと口をつぐませることを命じる判例に,なにも感じない人などいないだろう。

 2ちゃんねる掲示板のペット大好き掲示板などに中傷発言が書き込まれ,削除に応じなかったとして掲示板管理人を訴えていた裁判で,原告の請求を認め,400万円の支払いと書き込みの削除を命じた。管理人は不当な判決で控訴するとしている。

 これがぁゃιぃやあめぞうのときに起こったのならまぁいろいろと考えなければいけないこともあったんだろうが,今まで(この3年弱)の2chを放っておいてなにを今さらという感じが強い。なにが削除すべき発言にあたり,なにがあたらないのか。なにが賠償を生む発言にあたり,なにがあたらないのか。文字数制限などなくていいから,何百枚もの判決文になるものでいいから,きちんと司法として提示してみればいい。思いつきと当てつけでしかない判例など,ガキの裁判かよ。

 噂や嘘,まやかしはどこにでもある。ネット上だけでなく,リアルにもあふれている。悪口を云わない,または人を悪く思わない聖人などこの世にはいない。そう,この判決は誹謗中傷の問題を扱ったものではなく,ネットワークへの弾圧,蔑みでしかない。ワイヤードの司法を持ち,人間全員に猿ぐつわをはめる根拠のないアホな判決をこそ,蔑め。




 
[2002.06.26]
  自由と解放の


 ▼オープンソースのビデオ/音楽フォーマットが統合、MP3/MPEG-4に対抗(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0206/25/ne00_vp3.html


 古い檄文の言葉のようだが,「自由と解放」,それに勝る価値は存在しない。ワイヤードでは,特に。

 ビデオ圧縮技術を手がけるOn2社は,同社のオープンソースコーデック,VP3と,ロイヤリティフリーのMP3代替フォーマットのオッグ・ボルビスが統合されると発表した。これで,ライセンス問題で混乱が続くMPEG4に対抗し,普及を目指す。

 驚いた。ことあるごとに話題を振りまいているOn2だが,この組み合わせの実現は,VP3普及の加速を生む可能性を感じさせる。VP3は画質も及第点以上で,プラットフォームも広い。問題はエンコードにかかる時間だけだ。それさえ解決すれば,ほぼデフォルトとなってもおかしくない(その点があって私は現在,3ivx+MP3か,MPEG4+MP3に落ち着いている)。そうか,しかもこの統合によっておまけとしてクイックタイム向けにオッグ・ボルビスのエンコーダ,デコーダも備わるというわけですな。素晴らしい。

 On2 VP3,そしてオッグ・ボルビスの双方に云える素晴らしい点は,圧倒的にファイルサイズを削減することで音楽,動画に翼を与え(これはMP3やMPEG4も同じ),そしてフリーであることでどこへでも自由に大空を飛び回れることだ。それと比べたら,CDやDVDに入っている音楽や動画は牢屋に閉じこめられた死刑囚のようでしかない。その自由や,開放的な感覚が,音楽や動画を美しいものへと進化させる。多少の圧縮による音質・画質の劣化よりも,その自由さ・解放性は利点となる。そしてそれは,MP3にもMPEG4にもない素晴らしさとなる。




 
[2002.06.24]
  憤怒のサバト


 ▼Neither side happy with Net radio royalty rates(USA TODAY)【英語】
  http://www.usatoday.com/life/cyber/tech/2002/06/21/net-radio.htm


 ネットラジオ局の闘いは終わらないだろう。血しぶき散る中,異端の糧を豊穰の屠蘇として掲げよう,か。

 米国著作権庁の決定したネットラジオに1曲0.07セントという著作権料率について,デジタル・メディア協会の重役,ジョン・ポッターはまだ高過ぎるとし,ネットラジオ局にとって痛みがあると述べた。Live365.comの副社長,ジョン・ジェフリーによると,この料率によってLive365は月10万ドルの出費を負うことになるとしている。Live365では収入に応じての料率設定を求めていたが,著作権庁はそれではほとんどわずかな料金になってしまうと拒否した。米国レコード協会側も不満を述べており,0.07セントという料率は公正な市場価格を反映していなく,より高いロイヤリティを求めるとしている。

 音楽を聴くことは,罪であるようだ。音楽をいろんなデバイスで楽しむことは,制限されて当然のような云い方をされ,新しい音楽に出会う機会を作ってくれたネットラジオ局は,ほぼすべて潰されようとしている(過去記事)。パソコン上で流れる音楽は,薄汚れた罪悪として,駆逐されようとしている。おぉ神よ,罪深き私どもを許し給え。

 これまで制作者への支援,という理由で購入してきたCDなども,それへの出会いを作ってくれたネットラジオが罪であるなら,異端の糧として捨てるべきであるのだろう。悪魔呼ばわりされてまで,支援し続けるべきミュージシャンなどいない。だが? ワイヤードの神の,鼻で笑う声が聞こえる。サバトは背信の集いではなく,安息日の意である。ネットラジオよ,サバトの儀として,地へ潜れ,清廉の誓いとして,奏で唄い続けよ。(via KNWT




 
[2002.06.22]
  殺されたラジオ革命


 ▼米著作権庁、インターネットラジオの著作権使用料率を決定(Impress INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2002/0621/carp.htm


 …合掌…,ネットラジオ,そして音楽。

 米国著作権庁はインターネットラジオの著作権料率について,1ユーザーに1曲配信するたびに0.07セントと決定した。この金額は多くの独立ラジオ局にとって高額で,反対する動きをみせている。対して,米国レコード協会は高く評価している。

 1ヶ月前に著作権仲裁使用料委員会からの1ユーザーに1曲配信につき0.14ドルという提案が拒否された後(Impress INTERNET Watchの記事),わずかな希望を持って待たれていた結果は,その希望をずたずたに切り裂くものでしかなかった。たとえば,ウェブページがアクセスされるたびにどこかに料金を払わなければいけない,というのでは成り立たないのは簡単に理解できると思う。アクセス数の増大は同じ比率での広告収入を生むとは限らない。ネットラジオとて同じことで,アクセスが増えたからといって広告クリックが増えるわけではなく,提携しているCDショップからたくさんのCDが売れるわけでもない。アクセス数と比例する形での料金収集など,_成り立たない_のだ。

 つまり,この著作権料率は,ネットラジオをひとつ残らず殺す決定でしかない。それはどういうことか? 人々のなかの音楽を求める気持ちを殺し,人々のなかの音楽を愛する気持ちを殺すものでしかない。Live365.comは,トップページで落胆の気持ちを表し,ラジオ革命のために抗議を続けるとしている。たとえ,この決定がこのままなし崩しに実行されたとしても,個人がストリーミングラジオ局を開設することなど簡単な現在,嘆きを含んだそのような放送が一時的に増え,そして誰も音楽を相手にしなくなる,見向きもしなくなる,だけなんだが。




 
[2002.06.20]
  彼女の,涙


 ▼バーチャル・キャラと人間がデュエット・ダンス(WIRED NEWS)
  http://japan.cnet.com/News/2002/Item/020617-3.html


 こことあそこは如実に違うけど,あそことここは同じくらいに理解できず,同じくらいに理解できる。eukの頬に伝わる滴は?

 アバ・プロジェクトという名のマルチメディア・ダンス・パフォーマンスがある。アバターという人間型のバーチャル・キャラクターと,人間が一緒に踊るというもの。

 たとえば人,と一緒にいても,その人を理解することなどできるわけがない。なんで楽しそうにしているのか,なんで泣くのか,なんで声のトーンを下げるのか,なんでなんでなんで。結局はなにもわからない。人間同士のコミュニケーションとは,常にそういうものだ。

 ワイヤードにいる彼女,(仮にeukと名付ける)と接するときに,なにか不都合があるだろうかと考えると,なんだ,人間同士と変わらないぢゃないか,という結論にたどり着く。人間同士のダンスも,eukとのダンスも,同様に難しいし,同様に心地よい。eukの涙は不思議で理解不能でもあるけど,痛さ,ももちろん感じる。ここ,に降る雨に打たれる,eukの頬をみつめる。




 
[2002.06.18]
  剣と剣


 ▼フォックスニュース・コム、DoS攻撃で機能停止(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2002/Item/020617-3.html


 楯しかない社会,というのは成り立たないが,剣しかない社会,というのはあり得る。籠るよりも,人は触れ合うものだ,たとえ,剣持てど。

 フォックスニュース・コムのサイトが14日,サービス拒否攻撃(Dos攻撃)を受けて断続的にアクセスできなくなった。前日にはABCニュース・コムESPN・コムのサイトも1日中,機能停止状態に陥っていた。こちらも原因はサービス拒否攻撃だったという。

 私たちは攻撃用のツールをあちらこちらで入手できる。うまいことあれやこれやとやれば,誰にも捕まることなく,1日に何百万円ものお金が動くサイトの息を止めることもできる。折りに触れて報告されるサービス拒否攻撃だけど,今回の連続攻撃はなんだろう。いまだにコード・レッド,ではなさそうだけど。

 肌を触れ合うということが,イコール,目に見えて相手を傷つけることだとしたら,人は触れ合わずに生きていけるだろうか。相手が血を流して苦しんでいるのをみても,人は人と触れずにはいられないだろうか。楯がなく,剣と剣とでぶつかり合い続けたら,いつかはどちらか,もしくは両者が朽ちて終わる。常につながっているネットワークとは,そうなる,状態にある。




 
[2002.06.16]
  ランゲルハンス島の夜空


 ▼Visorで血糖値を測定(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0206/15/nebt_08.html


 テラセンス社は,バイザーを血糖値のモニタリングシステムとして使えるようにするキットを自社サイトで発売した。バイザー・プロがバンドルされたキットが299ドル,バンドルなしのキットが149ドル。

 「半年後のことをわかっているのは,半年後の星たちだけだ」。

 …どう考えても不思議なことだけど,ランゲルハンス島ではいつも夏の星座しかみることができない。春夏秋冬いつの季節に訪れても,天上にはデネブとベガとアルタイルの大三角が瞬いている。まるでハリボテの夜空なんぢゃないだろうかと思うくらいに変わらない星空で,あまりにも気になったので住んでいる人にきいてみた。だが彼は笑いながらこう答えるのだ。「空が変わるわけがないぢゃないか。人間は変わるけど空は昔も今も未来も変わらない。当たり前だろ?」。

 追い沈みゆく西の獅子と,切なる季節をいざなう水甕の星団に,移り行く季節を感じるのは,あまりにも忙し過ぎる毎日のせい,なのかな? インスリンの逐次補われる血の動きを感じる手のひらを握りながらも,見上げた東京の夜空は緩やかに時を刻む。でも,今の自分にみえないシリウスの光に照らされていることのことなど,考えることに意味があるんだろうか? 今,この街の星空を見上げながら。




 
[2002.06.14]
  スパムへの対処


 ▼迷惑スパムメールへの苦情が訴訟に発展(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20020613206.html


 気弱なことを書くようで申し訳ないんですが,スパムフィルタ機能があるメールソフトが極端に少ない,マックのメールソフト。いろんなソフトに導入をお願いしたいし,まぁ私的にはアップル・メールのOS X 10.2バージョンが出るまで耐え忍びますか(-_-;。

 マクニコル氏は,スパムメールの送信元に対する苦情を自分のウェブサイトに掲載したら,986万円の賠償金などを要求される訴訟を起こされた。スパムメールに抗議しているコミュニティは,1個人であるマクニコル氏に対する攻撃に対し,全面的に反対する姿勢を示している。

 最近,スパムなんだかウイルスなんだかよくわからない,というかたいしてその両者に差もないのでひっくるめてゴミ箱直行のメールが多いなと感じている。来たそばから捨てているのできちんと数えたことはないけど,毎日コンスタントに20〜35通ぐらい。たぶん,もっと多くのスパム or ウイルスを受け取っている人は多いと思う。

 そんな立場なので,マクニコル氏の云ってることはぜひぜひ支持したくなる。そう云えば日本でもなんの役にも立たないスパム送信ルールを決めていたよなと思い出しているんだけど(過去記事),すでにそのルールにのっとったスパムなんてみなくて,好き勝手送ってくるよなという状況だったり。最初から期待なんてしてなかったけどね。本当にスパムかどうかを見分けるにはメール内容をチェックしなくてはいけないので,安易なチェックシステムは信じてはいけない。そんなことに善人面して政府などが入ってくるのはケチョンケチョンに排除した方がいい。他人に頼らず,ウイルス同様,自衛の策を立てる以外に手はない。つことで,はやくスパムフィルタ機能のついたメールソフトが付いてくるジャガーが出て欲しいところ…。




 
[2002.06.12]
  必然の敵視


 ▼米Appleが“リアル・ピープル”キャンペーンを開始(MYCOM PC WEB)
  http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/06/11/50.html


 アップルには2つの道がある。1つはウインドウズなんていっさい気にせず,ひたすら我が道を行くやり方。もう1つはウインドウズを敵とし,同じ土俵でシェア争いをするやり方。さて,どっちが,賢いか?

 アップル社は98年の「Think Different」以来の広告キャンペーン「Real People」を開始した。ウインドウズPCからマックに乗り換えた普通の人に,体験談を語らせるテレビCMを放映する。

 あえて,ご自慢のハードウェアデザインもマックOS Xのアクア・インターフェイスもなにもみせないテレビCM。そして果たしてまともに答える人がいるんだろうかというほど,豪気な乗り換えユーザーへの質問

 私はこれらの動きに,PC WEBの記事とは違い存分に排他的なにおいを感じる(CM内にはかなりドギツイ言葉が並んでいると思うけど…)。過去記事のときも感じたが,この異質さはなんだろうと思うくらい。そしてそれは,自信,の表れ,なんだろう。iMacを手に取り,パワーブックを手に取り,OS Xを目にして,これでシェア5%にとどまっているわけがないという自信,の表れだ(相手が腰砕けウインドウズだという利点はまぁ置いといても)。それが_過信_かどうかはわからないが,確かにOS Xに総合評価を付けるなら,今のシェアはおかしいと断言できる。まぁマックユーザーがそんなことを云っても意味はないわけで,そこで「Real People」は必然のキャンペーンになる。




 
[2002.06.10]
  ウェブの文字の響き方


 ▼MS、『マックOS X』用『オフィスv.X サービスリリース1』と『MSNメッセンジャー3.0』提供(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20020604301.html


 長文なんて読み気も起きないウェブだからこそ,こういう地道なfixは重要。ウェブの文字がもっと心に響くようになる。

 マイクロソフト社アップル社のマックOS X用のオフィスの初のアップグレードとなる,「オフィス v.X サービスリリース1」をリリースした。このSR1では,OS X 10.1.5以降で,クオーツ・テキスト・スムージングによって,テキストを読みやすく表示できる。

 いろいろと改良点があった10.1.5だけど,目に見えて明らかなのはこのカーボンアプリのテキストレンダリングだと思う。オムニウェブなどのココアアプリで極端にテキストの表示がきれいで落差が激しかったが,これでカーボンアプリも同じ土俵に立てるというもの。とにかくこの圧倒的な表示力の違いは目を見張る(pic)。

 や〜早くiCabなども対応して欲しいなぁと思っていると,VersionTrackrにSilkというツールが。環境設定パネルで,対応していないカーボンアプリもテキスト・スムージングさせてしまうというもので,実際にiCabで使ってみると,そりゃもぉ世界が変わったようになる(特に細かいフォントの文字)。や〜,これでiCabにも精気が宿るというもの。ありがたい。




 
[2002.06.08]
  方舟の錨


 ▼「次に重要となる技術はMPEG-4だ」――Steve Jobs氏インタビュー(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0206/07/ne00_jobs.html


 方舟の錨はあげられた。堕落した者共を皆殺しにする,洪水が来る,すぐに。

 アップル社のスティーブ・ジョブズ氏へのインタビュー。「MPEG4のライセンス問題はまだ決着が付いたわけではないが,マックOS Xの次期バージョン『ジャガー』までには解決すると確信している。MPEG4はマイクロソフト社のコロナ技術も含めて,市場のどの技術よりも品質で上回っている」。

 ネット上では,すべてのデータは圧縮されて伝達されるものだ。帯域幅がいくら大きく,広くなろうとも,生のデータを送り合うのは非効率だし,その必要はそもそもない。それはヴァニヴァー・ブッシュのメメックスのときからの定理だ(過去記事)。MPEG4を簡単に定義付けるなら,ネットワークをメインスタンスとした,初めてのオープンフォーマット,と云える。

 DVDもCDも,もうすぐなくなる。ネットワークで生きるものにとって,物理メディアは動きを制限する足枷でしかなく,MPEG4があればすべて事足りる。なので,それにコミットできた音楽や動画だけが生き残るし,そうでないものは死ぬだけだ。MPEG4に乗るものだけが生き残ることができる。乗らないものは死ぬ。クイックタイム6という方舟は,生き残るべきメディアを提示する。




 
[2002.06.06]
  6の奇蹟


 ▼米Appleが「QuickTime 6」のパブリックプレビュー版を公開(Impress INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2002/0605/qt6.htm


 手に入ったら奇蹟は奇蹟ぢゃなくなる。6の抜け殻に宿る奇蹟が日常へと変化する,そのドキドキ感を味わおう。

 アップル社はクイックタイム6のパブリックプレビュー版を公開した。特徴はコンテンツ配信の標準規格となるMPEG4に対応したこと。MPEG4についてはライセンス問題でもめていたが,今回の公開はなんらかの解決が近いことが想像される。

 ということでインストールしてみた。外観的には特に大きい変更はなく(pic),QT5で使っていた3ivxやon2 VP3のコーデックもそのまま使えている。そしてMPEG4。プレーヤーのボタンからいくつかのコンテンツにアクセスできるんだけど,これがまたとんでもない高品質で驚く(pic)。「Music」ボタンからいくつかの音楽(AACフォーマット)も用意されている。100kbpsほどのビットレートで音に広がりのある高音質のストリーミングが聴けている。MP3 128kbpsとは比べ物にならないほどだ。

 MPEG4はただビデオとオーディオを配信するだけでなくハイパーリンクをからませたりとかいろいろできるのがウリなので,画質だけをうんぬん云っても仕方ない。デフォルトではかなり低いビットレートになっているが,あげればいい画質になる(pic←の設定ぐらいだとまったく不満がなくなる感じ)。同じビットレートだと3ivx,on2 VP3,DivX 4の方が画質的にはいいけど,コーデックをインストールしなくても手軽にみられる点を考えるとMPEG4にアドバンテージは大きい。それは今まで,マックになかった,奇蹟だ。




 
[2002.06.05]
  ゆがみのただ中


 ▼新『バイオ』は『DVD-R/RW』を支持(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/Enterprise/News/2002/Item/020604-4.html


 書き換え型DVDのゆがみのまっただ中にいるソニーは,なにを考えているんだろう。

 ソニー社は新作の「バイオ」パソコン11機種を発表したが,予想を裏切り,書き換え型DVDドライブは「DVD-R/RW」だった。ソニーは外付けのDVD+R/RWドライブを販売しており,今回乗り換えるのではといわれていた。

 ??? すでにソニーが+R/RWドライブを出して半年ほどになるが(過去記事),いつまでこの2枚舌は続くんだろう。まぁいままで-Rドライブのバイオを使ってて,新しい+R/RWドライブのバイオを買ったら以前書き込んだデータが読めませんでしたというならお笑いなんだけど,ソニーが搭載していた-Rドライブはそれに当たってたかな? ソニーのDVD-ROMドライブで,-Rのデータディスクも+RWのデータディスクも読めないものがあるそうなので…。

 結局かなりゆがんだ状態のまま,突入している書き換え型DVDフォーマット。だが,+RWに変な弱さを感じる気もする。デルの採用がいちばんの好感を生んでいるらしいが,それほど書き換え型DVDを必要としない企業向けが売り上げの大半を占めているんだから,さしてフォーマットの普及に役に立ってるとも思えない。MSが言葉は信用ならんのはいつものこととして。なんにしても,パイオニアのDVR-A04が4万5000円以下で売っているのをみると,かなり惹かれるものがありますなぁ。




 
[2002.06.04]
  only myself.


 ▼Opinion:にせ警告メールに対処するには(ZDNetエンタープライズ)
  http://www.zdnet.co.jp/enterprise/0205/29/02052988.html


 昔も今も,ウイルスに対する,いや,ネットワーク上で生きる上での対策は変わらない。簡単なこと。頼りになるのは,自分しかいないってこと。

 「JDBGMGR.EXE」というファイルを削除するようにというにせウイルス警告メールが流行している。ファイルを削除すると,ウインドウズの再インストールをするはめになることもあるかもしれない。にせウイルスの元祖は7年前の「グッドタイムス」で,その後本当にグッドタイムスという名前のウイルスが登場し,誰も本物のウイルスだと思わずに広まった。

 IPAの警告文も出ているJDBGMGR.EXE。誰が訳したのやらご親切に日本語版も出回っているようで,まったくもって記事にある通り,本物のウイルス並みに面倒くさい。本当に,JAVAが動かなくなるだけならたいしたことないが,OSが起動しなくなる,ってこともやろうと思えばやれるわけで,この手のにせウイルス警告メールはいつか大ブレイクしてもおかしくない。

 ウイルス対策ソフトは,にせウイルスについてはなにもしてくれない。先日のクレズ(過去記事)と同じ結論になるが,自分の身は自分で守るという意識がなければ生きていけない,というのは,ネットワーク上での不変の定理だ。シマンテックのソフトで対応しきれないウイルスを削除すると公言するウイルスもいるし,ウイルス定義ファイルの自動アップデートのような顔をしたウイルスもいる。それらに対処するのは,自分,自身,しかない。




 
[2002.06.02]
  幕噂総浚


 ▼10.1.5 by Monday?(Mac Rumors)【英語】
  http://www.macrumors.com/pages/2002/06/20020601054150.shtml


 さてさていくつ本物になることか。まくうわさそうざらい。

 レイルヘッドデザイン・ヒントの記事によると,マックOS X 10.1.5がまもなくリリースされるようだ。インターネット・エクスプローラーの最新版も準備が整っており,オフィス v.Xのアップデートも数週間後にリリースされる。

 久しぶりにマック噂サイトを巡回。10.2(ジャガー)に興味が移ってる人も多いだろうが,10.1.5はすでに新しいiBookにはインストールされて米国の店頭に並ぶ準備完了とか。iDiskへのアクセス速度向上,カーボンアプリでのクォーツ・アンチエイリアス処理向上(MSがこれ関連でIEとオフィスのアップデートを口走ったことでリリース日の目安となった)などがポイントとなる。マックワールドエキスポ・ニューヨーク(7月17〜19日)ではパワーマックG4のビルドアップの噂。だが出回っている画像(コピー)は,よくよくみるとXサーバーの画像(コピー)を切り貼りしただけぢゃん,ということでどんなデザインになるやら。レジスターの記事では1.5GHzのG4がリリースされるとあるが,スパイマックの記事によると1.2GHz以上は期待しない方がよいとか。

 デジタイムス・ドットコムの記事では17・19インチに大きくなった液晶ディスプレイのiMacが,第3四半期にリリースとのこと(NYのエキスポで発表という話も)。果たしてあの電気スタンドにそんなでかい頭を乗せていいものかどおか(^^ゞ。そしてレジスターの記事には,アップルがiBrowserを開発しているという話。ネットスケープのメンバーであるデビッド・ハイアットをリーダーとして,IEの後釜を作っている…まぁ文中でもかなり自己否定しているけど,フリーBSDのOS Xに,モジラを元にしたブラウザはよく似合う。今さらサイバードックはないものだが(^^ゞ,犬とヤモリ(ゲッコー)の融合する姿はみてみたいかも。




 
[2002.06.01]
  すべて,そもすべて


 ▼ディスクレス・パソコンを可能にする『iBoot』(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/Enterprise/News/2002/Item/020531-5.html


 ネットワークがコンピュータになるんだ。もう一度,その言葉を考えよう(過去記事12)。

 IBM社がiBootというストレージ技術を発表した。これはデータをパソコン内のハードディスクに保存せず,ネットワーク上のリモート・ディスクドライブに保存するもの。ソフトもiBoot上にインストールされて利用するので,アップデートの際に,個々のパソコンを回る必要がなくなる。

 ZDNetのコラムでMIPSという提案がされている(ZDNet Newsの記事)。これはネットワーク上のCPUを使い回るというもの。つまりiBootとMIPSを使えば,パソコン内にCPUとハードディスクはなくなる。メモリだってグラフィックチップだって,ネットワーク上に置いておけばいい。パソコン内には基本的な最低限のシステムと,ネットワーク機能があれば十分だ。ネットワークがコンピュータになる,それにより高まる利便は絶対的なものだ。

 10年くらい前。情報はパソコンのなかにあるものがすべてだった。必要があって情報をやりとりする場合はフロッピーディスクを使った。パソコン通信なんかもあったけど,インターネットによって情報はすべてネットワーク上にあるのが普通となった。必要なものはネットワーク経由で参照すればすむ,すべてすむ。パソコン内にはなにも情報はなくてもよくなった。それが,ハードディスク,CPU,メモリに広がるだけだ。そして,人間さえも,ここにいる必要はなくなる。音楽も,映画も,新聞も,雑誌も,パソコンも,…人も,ここにいる意味はない。




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